取り組み事例

合成分子の細胞内自己組織化に基づく新規創薬概念の創出

2018/11/30/Fri

   
 
丸山 達生(大学院工学研究科・准教授)
 

生体内を化学的視点から捉え新規治療方法の提案に活かす

ガンの克服は人類にとって大きな課題であり、長年の研究開発・治療努力にもかかわらず、いまだ克服までの道のりは遠い。20世紀終わりから分子標的薬が画期的な薬として期待されたが、ガンの幅広い多様性および薬剤耐性の出現等により、効果があるケースは限られている。一方で、多様な化合物ライブラリーから新薬候補を探索する従来の創薬手法に限界が来ており、世界の大手製薬メーカーでは新薬開発が滞ってきている。

そんななか我々は全く新しい作用機序を有する抗ガン剤の開発を目指している。具体的には、ガン細胞の中だけで小さな薬剤分子が自己組織化し、ガン細胞内部をゲル化させることでガン細胞選択的に殺傷する手法に挑戦している。ここでは脂質分子を適切に分子デザインすることで、ガン細胞に特徴的な酵素や細胞内環境に応答し、ゲル化する合成脂質を開発し、これがガン細胞を選択に殺傷することを見出した。この研究を通して、創薬分野に全く新しい薬の作用機序を提案できると考えている。

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