MESSAGE

学長メッセージ

   

「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する神戸大学の取り組みについて

   

 私たちの暮らしのなかで、気候変動、自然災害、感染症、紛争など、地域から地球規模に至る課題が社会に重大な影響を及ぼしています。さらに、急速に進む都市化や高齢化など、新しく顕在化した課題もあります。こうした課題が山積する中、国際社会の協調したグローバルな取り組みの必要性が強く認識されています。

 本学においては、このような地球的課題に対して伝統と特色を活かして文系・理系という枠にとらわれない先端研究を推進し、新たな学術領域を開拓するとともに、その解決のために先導的な役割を担う人材を輩出することにより高等教育機関としての責務を果たして参りました。

 国連では、2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」を開催し、日本を含めた先進国と開発途上国が共に取り組むべき国際社会全体の普遍的な目標として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しました。2030アジェンダにおいて掲げられたSDGsの17のゴールは、科学技術を基盤として新しい価値を創造するとともに人を教育することによって、循環型の持続可能な誰一人取り残さない社会をつくるために設定されています。このように多様なSDGs開発目標に係る取り組みの実施を総合的かつ効果的に推進するためには、大学だけでなく民間等の多様なアクターが参加してSDGsの達成に取り組むことが重要です。

 本学では、文理を超えた異分野融合や新学術領域における成果を活かし、全学の幅広い分野にわたりSDGsを目指した取り組みを推進するため、地域社会や産業界とも連携してSDGsの理念が共有できるよう努めるとともに、その取り組みの成果を広く国内外に発信していくことを2019年に宣言いたしました。また、2020年2月に「SDGs推進室」を設置し、社会課題解決に向かって、新たな価値の創造や未来社会への大学の知の実装に取り組んでいます。2030年の先のSDGs+beyond社会の実現を見据えて、産業界や地域社会との連携により異分野共創研究創出基盤を構築してSDGsやカーボンニュートラルに貢献できる新しい研究開発の推進を加速していきたいと考えています。

2021年4月1日 
神戸大学長  藤澤 正人