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学生SDGs推進プログラム学生委員会「ゴミ×エネルギー未来妄想ワークショップ」を開催しました

2023/02/20/Mon

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 2023年2月20日、学生委員会主催による「ゴミ×エネルギー 未来妄想ワークショップ」を開催しました。二酸化炭素排出や埋立地の不足への対応として、ゴミを出すことに高額な税金が課せられた2050年の社会を想定し、そこで起こる様々な問題に対処するために、どんな社会や制度を設計するかを考えました。気候変動や埋立地の不足から、税金による家計の圧迫や不法投棄まで、幅広い問題が想定される中で、SFプロトタイピングの手法を用いて、より良い社会にデザインするためのアイデアを2グループに分かれて自由に出し合いました。

 ワークショップで出された2つのソリューションをご紹介します。

グループ1のアイデア

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▷問題意識
長期的な社会全体の利益(気候変動、環境問題)と短期的な個人の利益(ゴミ処理税、利便性)が対立関係にある。この二つを近づけるような制度設計を行いたい。

▷概要
使い終わった商品の容器などを回収し、返却した者には上乗せした料金を返還するデポジット制度を普及させる。またその補強として、企業の信用スコアAIによる生産最適化という二つの仕組みを導入する。

▷具体的な施策
デポジット制度...3つのステークホルダーのメリットを明確化し普及を促進する。
  環境活動家:環境問題の重要性を消費者に訴え、ムーブメントを作り出す。企業からの資金を元に活動する。
  企業:新規参入や市場のゲームチェンジを狙う企業。環境に配慮したデポジット制度を採用し、社会にアピールして既存企業に勝つことを狙う。環境活動家によって高まった気運が不可欠なため、活動家に資金援助する。
  消費者:デポジットへの参加でマイナポイントがつくなどして金銭的メリットを得る。
企業の信用スコア...環境への配慮を数値化し、税制優遇や投資の判断材料にする。
AIを活用した生産最適化...過剰生産への対処としてAIを用いた需要予測や生産の最適化を行う。

グループ1の発表内容(動画)はこちら

グループ2のアイデア

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▷問題意識
税金はゴミを減らすためには仕方ないが、それに付随して起こる不法投棄や、ゴミ捨て場やゴミ箱設置の減少による利便性の低下は解決したい。集めた税金を更なるゴミの削減に有効活用したい。

▷3つの施策
税金の有効活用
 高額なゴミ税によって集まった財源を有効に活用する。ゴミ発電や土に還る包装など、ゴミを減らす 技術や再生可能エネルギー技術開発に補助金を出し、技術進歩を促進する。ゴミ削減が難しい人やゴミ出しが困難になる高齢者などには減税を行う。
自販式ゴミ箱、コンポストの普及
 料金を支払うことで利用できるゴミ箱を設置し、利便性を確保する。また各家庭や街中にコンポストを普及させ、生ごみなどの排出を削減する。技術開発によって実現する必要がある。
各産業をつなぐプラットフォーム
 地域内の様々な産業の代表者が加盟するプラットフォームを構築し、情報共有やコミュニケーションを行うことができるようにする。また、飲食店から出る生ごみを農家の肥料のために融通したり、廃棄される備品を他企業に融通したりするなどの機能も果たせるようにする。

グループ2の発表内容(動画)はこちら


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 ※ワークショップで使用した模型は、日立製作所研究開発グループが、サービスデザインの方法論研究の過程で2000年代に開発し、現在もワークショップなどで広く使用しているBusiness Origami®を参考にさせていただきました。Business Origami®は、株式会社日立製作所の登録商標です。

参加者から寄せられた感想

・ 大多数の方が当たり前に問題だと認識している事柄であっても、あまり我が事のように感じることができなかったり、今回は2050年の設定でしたが、将来的な話だと、どこか遠い話のように感じてしまったりしているなと思いながら議論に参加していました。普段関わりのない方々と議論することは、色んな発想・考え方があるのだと知ることができ、大変参考になりました。
・ とにかく面白かった。ただ与えられた情報量が少なかったような気がします。

企画運営メンバーの声

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左から渡邊亜弥、山本道也、中本好乃(小城戸愉子は当日参加できず)

山本道也(経済学部4年)
 私は以前、法学と経済学の複合分野を学ぶ法経連携プログラムの授業の延長で、大学と日立製作所、IGESによるワークショップに参加しました。地域とエネルギーがテーマのワークショップだったのですが、それがとても有意義で、ぜひ他の人にも体験して欲しいと思ったことがきっかけで今回のワークショップを開催することになりました。社会の課題や設計について他の人と真面目に考えるという機会はあまりないと思いますし、「難しい」「めんどくさい」「自分とは関係ない」というイメージを持たれていると思います。このワークショップでは、その取り組みをとにかく楽しんでもらい、様々な人にそれぞれできることがある、身近なものだということを実感してもらえるよう意識して企画しました。
 当日は司会ということで議論には参加しなかったですが、どちらのグループも全く違っていながら面白いアイデアを出し、様々な視点を交えた議論を行っていたので、自分も参加したくなりました。楽しく課題に向き合い、関心を持っていただけていれば幸いです。

中本好乃(医学部保健学科3年)
 様々な立場の参加者の方と話す中で、ゴミとエネルギーに対する認識や考えが人それぞれ異なっていることを実感しました。また、今回設定したようなSFの世界にこの先本当になってしまったらどうしようという危機感を抱いたので、このワークショップを機にエネルギーへ関心を持ったり、普段の自分のゴミの捨て方を振り返ったりするようになりました。参加してくださった皆さまにも未来を妄想することで、今後どんな世界になって欲しいと望むのか、そのために今できることは何であるのかを考えていただけるきっかけになっていれば嬉しいです。

渡邊亜弥(法学部2年)
 私自身、企画時点で初めてこのSFプロトタイピングについてお話を伺ったのですが、SFを通じて架空の世界に入り込み妄想しながらアイデアを議論するという今まで聞いたことがなく独特で面白そうな手法に魅力を感じ、運営としての参加を決めました。SDGs推進室の方々をはじめとした多くの人のご協力もあって、自分たちがいいなと思ったことがどんどん形となり、最終的にイベントとして成功に終わったことはとてもうれしいことだし、個人的にも自信にもつながったように思います。また今回のワークショップを通じて、私自身だけでなく、皆さんの環境やごみに対する意識も変わっていればうれしいです。

小城戸愉子(国際人間科学部1年)
 山本さんの紹介で、今回初めてSFプロトタイピングというアイデア創造手法を知り、将来の社会の様相を「妄想」し、さまざまな立場を踏まえて解決策を模索するという内容に興味を惹かれ、企画に参加しました。企画当初は、いまだかつてない試みということもあり、当日成功するのかどうか、かなり不安もありました。しかし、当日の写真や録画を通して無事なんとか形になったことがわかり、大変嬉しかったです。これもSDGs推進室の先生方のご協力がかなり大きいと感じています。企画するにあたって、どうすれば参加者の方が意見をだしやすく、有意義なイベントにすることができるのかと模索を重ねた経験は、個人的に大変貴重なものとなりました。とはいえ、今回のイベントは第一回目で、まだまだ改善の余地はありますので、次回もし機会があれば、今回の反省点を生かしてよりよいものにできればと考えております。


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