栗栖 薫子(法学研究科・教授)
世界の多くの地域において、武力紛争やその他の暴力の結果、社会の持続可能な発展が阻害されてきた。これらの武力紛争が発生した地域では、国連による平和維持や平和構築が実施され、平和を回復することが望ましいが、国際的な介入がなされるには、国連の安全保障理事会(安保理)において理事国が合意することが必要である。そしてそのような決定の一つの背景として重要となるのが、各国の市民が安保理の決議を正当とみなすのかどうか、つまり各国市民の安保理決議に対する認識である。社会システムイノベーションセンターの本研究プロジェクトは、インターネットを用いたサーベイ実験手法を駆使し、国際連合の安全保障理事会の正統性・正当性が一般市民にどのように認知され、どのような効果を持つのかを実証的に明らかにする試みであり、アメリカ、インド、日本などの市民を対象にサーベイ実験を行った。
安保理における平和構築と持続可能な平和についての協議 (UN Photo /Eskinder Debebe)
