取り組み事例

超高効率太陽電池の開発

2018/11/30/Fri

   
 
喜多 隆(大学院工学研究科・教授)

地上に到達する太陽エネルギーは、1平方メートルあたり約1kWあります。現在の電力供給インフラを太陽電池で置き換えるには、高変換効率の太陽電池を実現して発電コストを下げるとともに、エネルギーの貯蔵と輸送を考えなければなりません。そのために必要とされる太陽電池のエネルギー変換効率の目標は50%と言われています。この目標を達成するには、新概念、新素材を活用し、超高効率化と低コスト化を両立させる必要があります。

これを実現すると期待されているのが、量子構造を利用した集光型太陽電池です。集光型太陽電池は太陽光をレンズで集光して太陽電池に入射するため使用する半導体セルのサイズが小さくすることができ、超高変換効率と低コストを両立できます。変換効率を向上させるには、吸収されずに透過してしまうロスと熱となるロスを抑制することです。われわれは、量子ドットや量子井戸(超格子)を駆使してこれらロスを格段に抑制した太陽電池構造の開発研究を行っています。特に、研究室で考案したヘテロ界面を利用した新型の太陽電池の理論上の変換効率は60%を上回ると予想されています。

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ヘテロ界面を利用した新型の太陽電池は、太陽光スペクトルを広くカバーし、63%の理論変換効率を実現しています。

   
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