取組事例

アフリカの稲作の緑の革命の推進

  • 飢餓をゼロに

大塚啓二郎(社会システムイノベーションセンター・特命教授)

サハラ砂漠以南のアフリカの多くの国々では、人口が急速に成長する一方で、耕地の拡大余地が限られるようになり、既存の耕地からの生産は停滞気味である。そのため、食糧生産と人口のバランスが崩れ、飢餓が発生する危険が大いにある。飢餓を回避するためには、土地当たりの穀物の収量の増大が不可欠である。

これまでの研究で、アフリカで最も有望な作物は水稲であることが明らかになってきた。このプロジェクトでは、土地当たりの水稲の収量を向上するには何をなすべきかを解明するために、2008年以来、モザンビーク、タンザニア、ケニア、ウガンダ、ガーナ、コートジボアール、セネガルにおいて農家調査を実施してきた。そこで明らかになったことは、アジアの水稲の土地生産性を爆発的に向上させた緑の革命が、アフリカでも有効であるということである。ただし、アジアの緑の革命が(1)肥料に感応的な高収量品種の開発と普及、そして(2)肥料の増投によって実現されたのに対し、アフリカでは畔の設置や水田の均平化等の基本的な栽培技術が普及していないために、緑の革命が一部の地域を除いて実現されていないことである。そこで、こうした基本的な栽培技術の重要性を示すような実証的証拠を収集し、論文の出版や国際会議での報告を通じて、その情報をアフリカ各国に浸透させ、稲作の緑の革命を実現することを目指している。

ナイフを使った稲の収穫風景