取組事例

「つくる責任・つかう責任」を容器包装から

  • つくる責任つかう責任

石川 雅紀(大学院経済学研究科・名誉教授)
小島 理沙(大学院経済学研究科・特命講師)

「減装(へらそう)ショッピング」

食品等を包み、品質を保全し、消費者に安全に分配するために必要不可欠な容器包装は、スーパーマーケットと共に発展、成長してきました。スーパーマーケットは、対面販売とは異なり、商品自体が消費者にアピールを行える最後のツールとなります。その関係で、容器包装はマーケティングの最後の砦といわれるほど重要な販売促進機能も兼ね備えています。

経済が発展すると廃棄物は増加する傾向があり、日本も戦後の経済発展に伴って、廃棄物問題は深刻な社会問題となりました。その対応として、廃棄物のReduce・Reuse・Recycleのいわゆる3R対策が進められてきました。廃棄物分野の研究では、3Rのうち、発生抑制(Reduce)をいかに達成するかが重要な課題であると認識されています。しかし、先述の通り容器包装がマーケティング機能をもっており、販売量確保といった営業面の観点からも容器包装の使用量を少なくすることは容易ではありません。つまり、容器包装の使用量を減らすべく小さくしたりすることは目立たなくことを意味するため、他社製品との競争優位に立てなくなる可能性が高くなるからです。

この難しい課題に対し、需要側からのアプローチによって容器包装を減らしていこうという取り組みを本学経済学研究科の石川雅紀名誉教授とゼミ生たちがNPOごみじゃぱんをつくり、10年間にわたり、「減(へら)装(そう)ショッピング」という取り組みを行ってきています。具体的には神戸市内のスーパーマーケットに協力を依頼し、消費者に他の同じような商品よりもごみが少ない商品であるということを伝える情報カードを作り、販売量がどう変化するかを検証してきました。情報を提供すると消費者の選択は変わるということがわかってきており、山崎製パンや日本ハムといった食品メーカーの容器包装もさらなる減量化に取り組まれる取り組みとなりました。

これは、「つくる責任とつかう責任」となる両者に働き掛け、マッチングさせることの重要性が確認できた重要な事例であると考えています。企業と消費者がともにごみが少ない商品を選んでいくことで、容器包装ごみが少ない社会を創り上げていくことができるという実例といえるでしょう。

なお、減装(へらそう)ショッピングは、2007年度グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)、平成24年度3R推進功労者表彰内閣総理大臣賞、平成24年度こうべユース賞、低炭素杯2015環境大臣賞金賞(地域活動部門)、2017年第18回グリーン購入大賞を受賞いたしました。


商品写真説明:フイルムが削減された商品例「もう切ってますよ 焼豚」・「北海道産小麦のバターロール」
(写真は、現在販売中ものもです)